【会員コラム-No. 30】(キャリアネット通信 2025-No. 2)
熊本在住会員の「TSMC日本進出 (コラムNo. 9)」その後です。
「課題が課題を・・・」
阿蘇くまもと空港を飛び立つやいなや眼下に見えてきます。TSMC熊本第一工場と隣接する第2工場建設予定地が。
第1工場は、昨年12月から量産が始まりました。第2工場は、今年の3月までに着工予定です。これまで、各種メディアを通し、「進出地」周辺は半導体バブルの様相であることは、皆さまご存知のことと思います。コラム№9で、一度、地元の様子をご紹介しましたが、その後の現在の様子についてお伝えしたいと思います。
《南北格差》
第1工場及び第2工場建設予定地は、菊陽町という県の北部に位置します。半導体関連工場の相次ぐ建設による土地不足で、菊陽町に限らず近隣の町まで地価が上昇しています。土地や家賃が熊本市より高騰し、熊本市に移り住む、出張者が滞在ホテルを熊本市に変える、以前熊本市から郊外に移転した飲食店が熊本市に戻る等の現象も見られています。このように、県北は活気づく一方、県南は著しい人口減少、水害被害等で、県内での格差が浮かび上がり指摘されています。
《交通渋滞》
最も喫緊の課題です。もともと、交通渋滞については、国内の都市で最悪のレベルで、これに拍車がかかっています。短期的な対策として、県市職員の時差出勤、信号機制御の効率化、右折レーンの増設等がとられています。長期的対策として、道路拡幅、インターチェンジ設置等ハード面も講じられていますが、周辺の農家は、立ち退き、農業が続けられない、農地へ行くのに回り道をしなければならなくなる等、新たな課題が見込まれます。
《世界情勢》
台湾TSMCが発表した2024年12月期決算は、世界的な市場低迷で減収減益となった前期から一転し、売上高、純利益ともに過去最高との事でした。台湾TSMCのシーシー・ウェイCEOの「日本での進捗は良好」とのコメントもありましたが、「台湾が半導体ビジネスを奪った」と主張する米国第一主義を掲げるトランプ大統領の出方や台湾有事等、先行きの懸念を軽視することはできません。
このように、思わぬところで新たな課題が生まれています。
工場は始動したばかりで、まだまだこれからです。今後も折を見て状況をお知らせしていきたいと思います。(TS)