実践キャリアネット

【会員コラム-No. 28】(キャリアネット通信 2024-No. 11)

今月は、キャリアネット運営委員のコラムです。

【ライフステージによる働き方を改めて考える】

少し前40代の頃は、介護についての記事を見たり聞いたりしても、まだ少し先かなとちょっと遠い目で捉えていました。50代後半を過ぎてすぐ、夫の病気で介護に関わることになり、「親よりパートナーの介護が先!?」と当初は当惑しました。介護従事者の手厚いサポートを得て回復し、落ち着いてきた矢先に、次は親と兄弟が同時に要介護となりました。

大学を卒業して、そのまま都内で就職し、家庭を持ち、子育てもひと段落しました。人生100年時代の後半をこれまで心の中で温めていたやりたいことリストの1つ1つを実行していこうと計画を練っていたそのタイミングで、介護生活第2ステージの到来です。

週末片道3時間かけて地方の実家に帰り、病院との往復。主治医やソーシャルワーカーとの面談は、平日に限るので有休を取得して対応。「この先この生活がどのくらい続くんだろう。」同じ思いを抱き、Uターンして介護に専念する人も実際には一定数いらっしゃるようです。

有職者である私は、これまでライフステージにあわせて仕事のスタイルを変えることができました。
子どもが小さい時は、リモートワークと出社のハイブリッド。小学校高学年になってからはフル出社。
「さて今回は、どうしよう? 地方に生活の拠点を移してできるワークスタイルのあり方とは?」 この機会を利用して模索してみたいと思っています。 フルリモートワークやワーケーションといったワークスタイルを導入している企業はありますが、まだ限定的です。

DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)は最近よく目にしたり、耳にしたりする社会の取り組みですが、生活のあらゆる分野に浸透するには時間がかかりそうですね。
進行中の高齢化社会に介護問題は重要課題であり、介護従事者不足も深刻です。一方で、家族の介護に関わる1人となったことで当事者側にもまた課題があることを体感しています。
ことに女性はライフステージによって環境が変化する状況があります。結婚、出産、子育て、仕事、介護。

今回家族の介護を通して直面する課題をどうするか、考える機会を授かりました。個人単位というより社会全体で考えて解決していくことが求められるでしょう。
日々の生活の中で直面する「あれ、これってどうなの?」を放置せず、1つ1つに声をあげていくのも次世代への置き土産にしないために我々世代の使命かなと最近つくづく思うようになりました。(MH)