実践キャリアネット

【会員コラム-No.20】(キャリアネット通信2024-No. 3)

今月は、実践女子大学の学生による東日本大震災のボランティア活動に関するコラムです。


「実践女子大学学生による東日本大震災ボランティア」


東日本大震災の発生から13年。私の実家は岩手県宮古市という被災地の一つにあります。家族は無事でしたが、震災当時の家族の話は想像を絶するようなものばかりでした。

実践女子大学では、東日本大震災岩手県宮古市支援プロジェクトが立ち上がり、2011年から2022年まで、数百名の学生が私の地元にボランティアに来てくれました。きっかけは、在学中にお世話になった研究室の先生からの電話でした。私がボランティアをしていることを話すと、先生と数名の学生が駆けつけてくれました。その後、プロジェクトとなり、学生主体のボランティア活動が始まりました。学生は、ボランティアが少ない仮設住宅を訪問することの重要性や、その地域にふさわしい活動について社会福祉協議会と綿密に打ち合わせを重ねました。幾つもの仮設住宅をまわったり、被災した学童からのお声がけで、お子様たちのためのイベントをしたりしたこともありました。私も長年個人的なボランティアを行っておりますが、学生たちと一緒に活動することで、大学の力を強く感じることができました。

このプロジェクトでは、長年、岩手県宮古市の訪問を継続してくださいました。学生から「他の地域もまわった方が良いのでは?」といった声があがった時もありました。しかし、被災者の方から「ボランティアに来た方々は、『また来ますね~』とおっしゃるけど、再会できたことは本当に少なくて寂しい」といったお声が度々聞かれました。『また来ますね』…別れ際に深く考えずに言ってしまいそうな、そんな言葉の重みにはっとさせられた時でもありました。

この活動は2023年12月に、宮古市社会福祉大会において、宮古市の社会福祉の発展に功績のあった団体として表彰されました。限られた活動の中で何ができるか…学生が『また来ますね』という言葉の重みを心に留め、毎年岩手県宮古市においでくださったこと、今も本当に感謝しています。

今年は能登半島で大地震があり、今も苦しみの最中にいらっしゃる方が多数いらっしゃるかと思うと、心が痛む毎日です。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。(HK)