【会員コラム-No.16】(キャリアネット通信2023-No. 11)
今月は運営委員のコラムです。
『ステマって何?どうしてダメなの?』
「ステマ」とは、ステルスマーケティングの略で、ほんとは広告なのに、広告だとわからないように、広告や宣伝をすることです。2023年10月から景品表示法に「ステルスマーケティング告示」が追加され、規制対象となりました。
具体的には、インフルエンサーやインスタグラマーといわれる、SNS上で影響力がある人に対価を払って、個人の感想を装って商品やサービスの紹介を投稿してもらったり、口コミレビューに高評価を付けてくれたらギフト券やポイントをサービスしたりすることが問題とされます。
じゃあ、どうしてダメなの? 広告なら、ある程度よく見せる誇張があると分かるので、そのことも含めて冷静に判断できますが、第三者の感想だと、消費者は鵜呑みにしやすいですし、商品購入や、飲食店を選ぶ際には、口コミ評価が判断基準になりますよね。それが、ほんとの感想やほんとの評価ではないとしたら、やっぱりだまされたって思いますよね。
「広告とわからない表示」がダメなので「PR」「#PR」「広告」「プロモーション」等と明瞭に表示されているものは違反とはなりません。なので、インフルエンサーの皆さんはちゃんと「PR」と表示している方が多いです。PRとどこかに書かれていれば、個人のアカウントで投稿されたものも広告ってことになりますので、「広告なのね!」と思って見ましょう。
日本は海外に比べ規制が遅れていて、今まで「ステマ天国」と言われていましたが、やっとステマ行為自体が規制されることになりました。しかしながら、処分の対象は広告主(商品等を販売する事業者)で、ステマを書いた人や、それを仲介する代理店などは処分対象ではありませんので、規制の厳しい国に比べたら、まだ甘いほうかもしれません。(KT)