【会員コラム-No. 14】(キャリアネット通信 2023-No. 9)
今月は、大学等でキャリアコンサルタントとしてご活躍中のキャリアネット会員からの今どきの新卒就活に関するコラムです。
「今どきの就職活動」
私は都内の大学で学生の就労支援をしています。皆さんが卒業した頃の就職はいかがでしたか。最近の学生たちがどう動いて、何に困っているのか、現場から感じることをお話したいと思います。
「新卒の就職」は経済状況に影響を受け、今年の内定率(8月1日現在)は86.6%と高い水準です。現在大学4年生はコロナ禍に入学、オンライン授業でキャンパスに登校できませんでした。友達との会話、サークル活動も画面越しでした。企業もテレワークを推進し、オフィスの環境も様変わりしました。ダメージを受けた業界もある中で、経済活動が再開し、人手不足から学生優位の「売り手市場」が続いています。ネットを開けば多くの求人が出てきます。新卒向けの人材紹介会社や自分を売り込むサイトもあり、企業との接点は多岐にわたり、優秀な人材を求めて選考が早期化しています。「売り手市場」と言うと学生は希望する企業に入社できるイメージがあると思いますが、学生が選ぶ条件は知名度があり、年収が高く、残業も多くないなど安定志向です。選んだ企業が「ブラック」でないか、とても心配します。
採用のプロセスは書類選考、グループディスカッション、複数回の面接など何度もふるいにかけられます。AIを使った面接も始まりました。学生と企業が出会える「インターンシップ」(今年から定義づけ)も学生が参加しやすい夏休みからスタートし、大学2年生も参加できます。企業も入社後のミスマッチがないよう計画的に進めています。
このような環境で学生は何に困っているのか。相談で、①周囲の学生と比べて自分は遅れているのでは ②やりたいことがわからない ③ネットの口コミで残業が多い、年収が低いと書き込みを見た ④自分が成長できるか ⑤複数の内定はあるが、一社に決められない など。
自分一人で考えてしまうケースが多く見られます。後輩たちが悩んでいたら、働く先輩として相談にのっていただければと思います。(KF)