本部 >文化部

実践桜会初春歌舞伎観劇会が開催されました

毎年、実践桜会恒例行事となっております国立劇場の初春歌舞伎観劇会。
今年も尾上菊五郎、菊之助親子を中心に尾上松緑、中村時蔵。尾上右近、中村梅枝ほか若手の活躍、芝居巧手のベテラン役者連が芝居に膨らみを持たせてくれました。
舞台の機能もフルに使い大変華やかで楽しい出し物でした。

前半、馬術の名手小栗判官が荒馬を宥めて思うがままに乗りこなすのですが、碁盤の上に乗り、何と前足を高く上げ後ろ足で立ち(映画「ローンレンジャー」の名馬シルバーが前足を上げ、後ろ足で立つあの姿)、きちんと余裕で見栄を切るのです! 碁盤の上ですよ!
菊之助さんかっこいい。
しかし馬の後ろ足役さんすごい、二人持ち上げているのですから、でも前足役さんと息が合わないと絶対にできない技。
この三者のバランスの絶妙さ。見事でした。



物語は小栗判官と照手姫の恋の物語。そこに主君の重宝探し、親の敵討ち、元家来の命をかけた忠義等の話を散りばめ、妖術を使う悪人、幽霊からの祟りと恋の行方はすれ違いを繰り返し、祟りのため体の自由を失いますが、最後は熊野の那智権現の霊水のおかげで、体も元に戻り、大団円で終わります。
最後の勢揃いの場で、手ぬぐい撒きが行われ、若い萬太郎さんは二階席まで投げていました。

後半、舟で連れて行かれる照手姫なのですが、その舟がどうやって動くのか?
舞台上の舟の移動は、大体、上手と下手に客席と平行に動くのですが、近頃は、ヒモで引っ張っていないのです(大昔はヒモが見えていたのですけど)。
今回は舞台から曲がって花道に進むのですが、花道の上の席から見ていて、どうやってあんなに滑らかに動くのか本当にわかりませんでした。
どなたかご存知の方教えていただきたいです。

今回も面白い所満載でしたが、「百聞は一見に如かず」と申しますが、「百文も一見に如かず」です。拙い文では倍の文を書いてもお伝えできません。

今年いらっしゃれなかった方も、是非この次はご参加をお待ち申し上げております。
(文化部M.O)