英文科会

2018年6月3日(水)11時〜12時
第42回、実践英文科会総会・講演会が開催されました。
総会:参加者40名 講演会参加者49名

山内典子英文科会長の挨拶
総会 11時から12時
司会・進行:木村和子
議長:建部静代
以下の議題が審議され、承認されました。

議題
  1. 平成29年度活動報告(植松ちどり)
  2. 平成29年度収支決算報告(田光雪枝)
  3. 監査報告(横橋貴子)
  4. 平成30年度活動計画案 (植松ちどり)
  5. 平成30年度予算案(田光雪枝)
  6. 報告事項特命委員について(山内典子)
    国際交流基金選考委員 成田貴三子)
以上


講演会(13時〜15時)

“東日本大震災について文学が考えたこと”
講師 木村朗子氏KIMURASaeko
(日本文学研究者、津田塾大学国際関係学科教授)

2011年の東日本大震災から7年が経った。この震災は日本だけでなく世界にインパクトを与え、文学、映画、美術など多様な分野で作品を生み出している。そうした作品は東日本大震災をどのように捉え、表現してきたのか。
言論統制の空気の中でタブーに挑戦する文学が興っている、それが震災後文学であると定義をし、いろいろな作品を紹介しながら、震災後文学論の現状が展開された。読み手の存在の有無にも言及し、被災地から遠く離れた地域や海外からの注目度が高く、読者からの作品への期待感にも触れた。

〈講演会に参加して思うこと〉

震災後文学という新たなジャンルをたて、それを軸に、震災を扱った作品を丹念に紹介し、風化しようとしている 意識を共有しようとしています。文学が果たす役割の可能性を押し広げているように感じました。震災後、幽霊の存在が多く語られるようになったとか。それも文学が拾い上げていくのでしょうか?
学生相手に講義する傍ら、国内外との交流、本の執筆と幅広くエネルギッシュに活動している様子が、ことばの端々からみてとれました。
もっと知りたくなり、先生の新刊をもとめました。じっくり読もうと思います。(S.H)

あの経験したことない大震災が文学に影響を与えていたとは考えもしなかった。7年たった今亡くなった方(幽霊の形で)との交流をテーマにした作品が沢山書かれているとの話に興味をひかれた。先生は欧米人の思う幽霊と日本人のそれとは違う、欧米の亡霊は恨みを語る悲劇のものが多く、日本の幽霊は生者と心を通わせ、生者の支え、救いのなるものが多い、と話された。
今あの震災の悲劇に被災者のみならず日本人がどのように向き合っているかを語る作品を読んでみたくなりました。(T.Y)

東日本大震災から7年、あの日のことは今でもはっきりと覚えています。
1人で車の運転中、揺れの大きさに思わず声をあげてしまいました。
テレビに映し出された津波の様子に、度肝を抜かれました。
しかし、現在先生の講義を受ける学生たちは、東日本大震災のことは過去の一つの出来事に過ぎず、かすかに記憶に残る程度と聞き、驚きました。 東日本大震災の中で一番大きな出来事は、自然災害としての津波ではなく、 人為的災害と言える福島原発の事故だったのですね。 そのことを日本人より、日本社会の状況をつぶさに見れない外国に住む人々のほうがしっかりと視線を向けているのではないかという先生の言葉。そしてそのことが文学作品の中だけではなく、映画などの作品にも表されているという指摘に、現実を突きつけられたような気がしました。
震災後文学は日本ではなかなか受け入られないもの、孤軍奮闘しているという木村先生。

“震災後文学論、あたらしい日本文学のために”という著書を手に取ってみたくなりました。(N.Y)

(プロフィール)
木村朗子氏 KIMURASaeko
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。2004年「母、女、稚児の物語史:古代・中世の性の配置」で学術博士。専門は言語態分析、日本古典文学、日本文化研究、女性学。2010年女性史学賞受賞
*著書:「女子大で源氏物語を読むー古典を自由に読む方法」「女たちの平安宮廷ー栄花物語に読む権力と性」「震災後文学論ーあたらしい日本文学のために」他